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最初にデビューのきっかけをつくってくれた少女小説の世界では、自分の持ち味を十全に発揮する機会がなかったので、当時単行本分野に進出したばかりだったマガジンハウスに売り込み、初めての書き下ろし単行本を書かせてもらうことになった。 |
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高校卒業を目前に控えた18歳の「オレ」が十年後の自分に書いた手紙という設定だけを決めて一気に書いた。
「オレ」の日常となる一日を書いたあと、物語は勝手に動きだした。執筆はおよそ3週間で、ほとんど直しもなくそのまま出版した。地の文を含む全編が関西弁で書かれている。そうなったのはオリジナルな文章表現が当時のぼくにはふだんの日常語しかなかったからだった。しかし便宜上関西弁なだけで、奈良生まれ奈良育ちのぼくが使う言葉は関西弁=大阪弁とは違うようだ。舞台となる場所はどこか特定されていないけれど、自身の高校生活を元にして書いたので、作者の心証風景は母校のある奈良市の学園前や富雄あたりになる。過食症で死んでしまう同級生とその葬儀の様子がでてくる。これの元になった事実があり、およそ十年後に書いた『やんぐとれいん』にも別の形としてでてくる。印象的な脇役とし登場する用務員さんにはモデルとなった人物がいる。その方には学生の頃たいへんお世話になった。 |
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